【11月14日 AFP】(更新)韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線にある板門店(Panmunjom)で韓国側に亡命を図った北朝鮮軍の兵士が、逃走中に少なくとも40発の銃撃を受け、そのうち6発が当たっていたことが分かった。韓国軍当局と兵士の治療に当たっている医師らが14日、明らかにした。

 板門店を監視する米軍主導の在韓国連軍司令部(UNC)によると、兵士は車で軍事境界線付近まで乗り付けたという。

 UNCの声明によると、「北朝鮮側の兵士らから銃撃を受ける中、車を降りた兵士は軍事境界線を越えて南へ逃げ続けた」という。

 また韓国軍合同参謀本部の当局者によると、北朝鮮軍の国境警備隊は少なくとも40発発砲したという。

 取材に応じた医師は、「兵士の体には少なくとも6か所の銃創があり、腹部を貫通した傷が最も深刻だ」と語った。

 板門店に配置される北朝鮮軍の兵士はエリート部隊で、忠誠心を厳しく調べられて選抜されることでも知られている。今回亡命を図った兵士は車で軍事境界線まで向かっており、エリート部隊の一員ではなかった可能性もある。

 韓国軍によると、軍事境界線上で銃撃戦が交わされることはなかった。また、UNCは韓国軍および米軍兵士に負傷者はいなかったと強調している。(c)AFP