【11月14日 AFP】米大リーグ(MLB)、今月上旬に球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたヒューストン・アストロズ(Houston Astros)の強打者カルロス・ベルトラン(Carlos Beltran)外野手が13日、20年間におよぶ現役生活に終止符を打った。

 ポストシーズンでの活躍で「ミスター・オクトーバー」との呼び声も高かったベルトランは、ウェブサイトのザ・プレイヤーズ・トリビューン(The Players' Tribune)に、「このスポーツで20年間プレーできたことに感謝する。たくさんの素晴らしい球団でプレーできたことに感謝する。妻や3人の子どもたちと経験を分かち合えたことに感謝する。王者になれたことにも感謝する。しかし、選手としての自分のキャリアは終わりだ。現役から退くことを正式に表明する」と言葉を寄せた。

 1998年にカンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)でキャリアを開始したベルトランは、6年後の2004年にアストロズへ移籍。2005年から2011年途中までニューヨーク・メッツ(New York Mets)でプレーした後、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)、セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)を渡り歩き、2017年からアストロズへ戻っていた。

 通算9度のオールスター選出を誇るベルトランは、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)と対戦した今季のワールドシリーズでは出場機会に恵まれず、わずか3試合で3打数無安打に終わったものの、優勝を目指すアストロズのロッカールームでは、若手選手を助ける役割を積極的にこなしていたと明かした。

 プエルトリコ出身のベルトランは、スペイン語で「Muchas Gracias, Beisbol(ありがとう、ベースボール)」と表題が付けられたエッセーの中で、「私は常に優勝することを夢に描き、自分のキャリアでいつもその機会を追い求めていた。しかし、必ずしもワールドシリーズ制覇を成し遂げてから引退するということは考えていなかった。当初の目標は若手選手に経験を伝え、ベースボールに還元することだった」とつづった。

「ずっとそのことを望んでいた。できる限り最高のチームメートでいたかった。この20年間で、それを達成できたと思う。だから、(ワールドシリーズの)第7戦に勝っても負けても、自分のキャリアには満足していたはずだ。それでも、優勝リングを手にできたことはうれしい」

 合計435本塁打を含めて通算2725安打を記録したベルトランは、1999年のア・リーグ新人王をはじめ、3度のゴールドグラブ賞(Gold Glove)と2度のシルバースラッガー賞(Silver Slugger)に選出されたほか、2013年には社会福祉や地域奉仕に貢献した選手に贈られるロベルト・クレメンテ賞(Roberto Clemente Award)も受賞した。(c)AFP