【11月14日 AFP】ドイツ・ボンで開催中の国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)で13日、2014年以降横ばいとなっていた世界の二酸化炭素(CO2)排出量が、2017年には2%上昇する見通しだとの研究結果が発表された。地球温暖化を引き起こすCO2の排出量は既にピークを迎えたとの期待が打ち砕かれる形となった。

 英イーストアングリア大学(University of East Anglia)ティンダル気候変動研究センター(Tyndall Centre for Climate Research)所長で、今回の研究結果をまとめた大規模な報告書の筆頭著者であるコリーヌ・ルケレ(Corinne le Quere)氏は、「これは非常に失望すべき結果だ」と指摘。

「2017年に人間の活動によって排出された世界のCO2量は410億トンと推計され、温暖化を1.5度以下どころか2度以下に抑えるための時間も足りなくなっている」と語った。

 2015年に採択され、現在196か国が参加している地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」では、産業革命前と比較して世界の平均気温上昇を2度未満に抑えることを目指している。

 世界の平均気温は1度でも上昇すれば、犠牲者を出すほどの熱波や干ばつ、超大型の暴風雨などの変調を地球に引き起こすとされており、同協定では気温上昇を1.5度未満に抑える可能性の追求も掲げている。

 地球温暖化の原因は、世界経済の原動力となっている石炭や石油、ガスの燃焼にあるほか、森林伐採も大きな原因の一つとされている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領の環境政策顧問で、今回の研究を共同支援した国際研究計画「フューチャー・アース(Future Earth)」の事務局長を務めるエイミー・ルアーズ(Amy Luers)氏は「3年ぶりに(CO2)排出量が増加したというニュースは、人類にとって大きな後退だ」と述べた。(c)AFP/Marlowe HOOD