【11月13日 AFP】スウェーデンとの欧州予選プレーオフ第1戦に0-1で敗れ、60年ぶりのW杯予選敗退が現実味を帯びてきているイタリア代表は13日、ミラノのサン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)で歴戦の勇士たちがW杯ロシア大会(2018 World Cup)行きをかけた最後の戦いに臨む。そこでAFPは、W杯プレーオフ敗退という不名誉な事態の回避に挑む、2006年ドイツ大会を制した同国代表メンバーのベテラン3人に注目した。

■ジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)/ユベントス(Juventus

 代表とユベントスで主将を務めるブッフォンは、史上最多6回目のW杯出場を目指している。ブッフォンは19歳だった1997年10月、雪の中で行われたロシアとのプレーオフで、負傷したジャンルカ・パリュウカ(Gianluigi Pagliuca)に代わるスクランブル投入という形で代表デビューを果たすと、いきなりドミトリー・アレニチェフ(Dmitri Alenichev)のシュートに対して会心のセーブを披露し、チームのフランス大会出場に貢献した。

 スポーツ一家に生まれたブッフォンは、クラブレベルではセリエAデビューを飾ったパルマParma Calcio、当時はパルマAC)でイタリア杯(Italian Cup)、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)、UEFAカップ(UEFA Cup)のタイトルを獲得。その後、2001年に5100万ユーロ(当時約55億円)でユベントスへ移籍すると、イタリアを代表する名門で8回のリーグ優勝を達成し、クラブのレジェンドとなった。

 39歳になる現在、ブッフォンはすさまじい数字を残している。セリエAで通算627試合出場を果たすと、代表でも13日のスウェーデン戦で175キャップを刻み、同じドイツ大会の優勝メンバーであるファビオ・カンナバーロ(Fabio Cannavaro)氏に39試合、代表の伝説的な守護神ディノ・ゾフ(Dino Zoff)氏に63試合の差をつけている。

 ブッフォンはスウェーデン戦について「生か死かの試合だとは思いたくないが、みんなの助けがあればやれると確信している」と力強く語っている。

■ダニエレ・デ・ロッシ(Daniele De Rossi)/ASローマ(AS Roma

 守備的MFのデ・ロッシは、4回目のW杯出場を目指す。現在34歳になるデ・ロッシは、2000年に下部組織に入団して以来、大型移籍の打診も一切断って、プロキャリアのすべてを故郷のクラブであるローマで過ごしてきた。イタリア代表では、2004年のノルウェーとのW杯予選で初出場初得点デビューを飾ると、2005年3月に行われたアイスランドとの親善試合ではキャプテンマークを巻いた。

 キャップ数はブッフォンと開きがあるものの、スウェーデン戦との第1戦に出場したことで117試合となり、先日引退したアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)氏を上回った。デ・ロッシは「4回目のW杯でプレーできれば最高だね。どんな選手にとっても、出られるものなら出たい大会だ。この試合にかかっているものは大きいし、血と汗を流せという意見は正しい。最後の最後まで全力を尽くさなくてはならない」と話した。

■アンドレア・バルツァッリ(Andrea Barzagli)/ユベントス

 36歳のバルツァッリは主役として目立つタイプではないながら、W杯1回、ブンデスリーガ1部1回、セリエA6回の優勝を経験している、この世代で最も多くのタイトルに彩られてきたDFの一人だ。プロ入り当初は中盤でプレーしていたが、セリエB(2部)のピストイエーゼ(US Pistoiese 1921)でプレーしていた当時、後にユベントスで師弟として再会するマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督が「別のキャリアを送りたくないか。お前は生まれ変わる必要がある。15メートル下がってみろ」と勧めたこともありDFに転向した。

 バルツァッリはその後、アスコリ(Ascoli Calcio)、キエーボ・ベローナ(Chievo Verona)、パレルモ(US Citta di Palermo)、VfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)で活躍し、2011年にユベントスへ加入。チームメートのジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)は「アンドレアは僕らの教授さ。いつもここぞというタイミングでここぞという場所にいてくれる」とバルツァッリを評している。

 代表では、マルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督の下、2004年11月のフィンランドとの親善試合でフル代表デビュー。2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)では、リッピ監督の選ぶ本大会のメンバーから外れたが、キャップ数は70試合以上を数え、ロシア大会に出場すれば3回目のW杯となる。(c)AFP/Emmeline MOORE