【11月13日 AFP】今月4日に訪問先のサウジアラビアで突然辞任を表明したレバノンのサード・ハリリ(Saad Hariri)首相(47)は12日、サウジ国内で軟禁されているとのうわさを否定し、「すぐに」帰国すると述べた。

 サウジアラビアの首都リヤドでハリリ一家が所有するテレビ局フューチャーTV(Future TV)のインタビューに応じ、「私はここでは自由だ。旅行しようと思えば明日にでも出かけられる」と発言。「すぐにレバノンに帰国する」と述べ、その後「2、3日中に」レバノンの首都ベイルートに到着すると説明した。

 ハリリ首相が4日にテレビを通じて行った突然の辞任表明は、中東に激震をもたらした。表明後もハリリ氏は帰国しておらず、レバノンのミシェル・アウン(Michel Aoun)大統領はまだハリリ氏の辞任を正式に受理していない。

 ハリリ氏はサウジアラビアの市民権を保有している。既に自らの意思で辞表を作成しており、レバノンに帰国したら提出すると説明。「危険はない」と主張した。

 これに先立ち、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の指導者ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師は10日、ハリリ氏は「サウジアラビアで身柄を拘束され、帰国を阻止されている」と非難していた。

 ハリリ氏の辞任表明をめぐっては、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子による圧力との情報もあるが、ハリリ氏は皇太子とは「素晴らしい」関係を保っていると説明。「互いに兄弟のように思っている。特別な関係だ」などと語った。(c)AFP/Rouba El Husseini