【11月13日 AFP】ミャンマー軍の兵士らが、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を対象とした軍事作戦のさなかにロヒンギャ女性を「組織的に狙った」集団レイプを行っていたと、国連(UN)事務総長特別代表が12日、記者会見で報告した。

 紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表(SRSG-SVC)のプラミラ・パッテン(Pramila Patten)氏は、ロヒンギャ難民が殺到しているバングラデシュ南東部のコックスバザール(Cox's Bazar)を訪問した後、首都ダッカで記者会見。集団レイプなどの残虐行為の多くが「人道に対する罪に相当し得る」と述べた。

 ミャンマー軍は、ロヒンギャの武装組織が8月25日に警察の検問所を襲撃したことへの報復としてロヒンギャへの軍事作戦を強化した。コックスバザールには過去2か月半で約61万人のロヒンギャが避難してきている。

 パッテン氏は「レイプや集団レイプの恐ろしい話を聞いた。レイプされた女性や少女の多くが死亡している」と報道陣に語った。「ある被害者はミャンマー軍に45日間拘束され、その間、何度もレイプされたと証言した。他の証言者の体には今も、明らかな傷跡やあざ、噛み跡など被害の証拠が残っていた」

 その上でパッテン氏は、「民族性や宗教を理由にロヒンギャの女性や少女を組織的に狙った性暴力など、広範な残虐行為のパターンが見られる」と指摘。ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州における性暴力は「ミャンマー軍が命令、指揮、実行した」と明言した。

 性暴力の種類としては被害者は一様に、大勢の兵士による集団レイプのほか、公衆の面前で裸にされ侮辱されたり軍の拘束下で性奴隷にされたりしたと訴えているという。また、これらの行為にはミャンマー国境警察やラカイン州の仏教徒などの民兵集団も加わっていたとパッテン氏は述べている。(c)AFP