【11月14日 CNS】中国航天科技集団公司(China Aerospace Science and Technology CorporationCASC)第五研究院によると、中国は2018年に「宇宙シャトルバス」に新型のロケットを開発すると発表した。新型のロケットは「遠征1号B(Yuanzheng-1B)」の上段を「長征2号C(Long March 2C)」のキャリアロケットに装着し、太陽同期軌道への発射任務を遂行するとしている。

 ロケットの「上段」は、衛星を最終的な目的地の軌道へ送り届ける役割を持つ。「シャトルバス」と呼ばれるゆえんだ。

 中国における「上段」の研究・制作は、1980年代末から行われている。中でも、同社が研究・開発した遠征シリーズの上段は汎用性が高く、かつエンジンの再点火が複数回できることから、さまざまな任務に対応可能だという。

 遠征シリーズの「上段」はこれまでに3機開発されており、基本型は「遠征1号上段」。主に中・高軌道への任務に使用され、エンジンの再点火は2度のみ。これに対し、「遠征1号A上段」は20回の再点火が可能で、複数の衛星を異なる軌道へ投入することや、軌道上で長時間運用することが可能になった。「遠征2号上段」は、遠征1号をシリーズ化した製品で、エンジンが2台搭載され、運搬能力が上がり、高軌道への複数の衛星の投入が可能だ。

 今回発表された計画に使用する新型の遠征1号Bの上段は「遠征1号上段」の商業版、簡略版として開発された。主に直径3.35メートルのロケットに装着され、短時間の飛行任務に使用されるという。

 遠征1号B上段の飛行時間は、遠征1号上段の6.5時間に対し、わずか1時間だ。システムの簡素化、部品レベルの引き下げなどにより、過剰な能力を削ることでコストを削減し、中・低軌道への短時間の任務に使用されるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News