4. 実行犯の大半に「心の病」

 米国での銃乱射事件が「心の病」のある個人によって引き起こされたことがあるのは事実だ。地元コネティカット州で、実母やサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)の児童20人を含む計26人を殺害したアダム・ランザ(Adam Lanza)容疑者や、コロラド(Colorado)州の映画館で観客に向けて銃を乱射したジェームズ・ホームズ(James Holmes)受刑者らは、精神的な問題が指摘された。

 だが専門家らは、精神疾患のある人の圧倒的多数は暴力的ではないと強調する。複数の研究によると、暴力行為に及ぶ人のなかで重い精神疾患のある人はわずか4%だという。つまり圧倒的多数は、怒りや妬み、憎しみなどといった別の要因で暴力行為に及んでいるということになる。

5. 米国では銃規制をめぐり意見がはっきり分かれている

 このことは米国以外で広く信じれられているが事実ではない。

 確かに全米ライフル協会(NRA)は銃規制の厳格化への努力に一貫して反対している。だが、米国のどんなに熱心な銃器反対の活動家でも、市民に銃器所持の権利を保障する合衆国憲法修正第2条の廃止を唱えたりはしないし、またまっとうな政治家で武器の没収を支持したりする人もいない。

 現在の銃規制をめぐる議論で中心となっているのは、購入可能な武器とその付属品の種類の制限、さらには法的・精神的に問題のある人への武器販売を規制するための身元調査の強化に関するものだ。(c)AFP/Sébastien BLANC