【11月10日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は9日、米国の成人の5人に1人が習慣的に喫煙しており、成人人口の15%が紙巻きたばこを吸っているとのデータを発表した。

 CDCの報告書によると、喫煙者削減に向けた公衆衛生の取り組みにもかかわらず、喫煙率は近年横ばい状態が続いているという。

 ブレンダ・フィッツジェラルド(Brenda Fitzgerald)CDC長官は報告書の発表に際し、「喫煙の害を被っている米国人があまりにも多い。喫煙は米国の予防可能な死亡原因のトップを占めている」とコメントした。

 発表された最新データは2015年のもので、刑務所などの施設に入っていない約3万3000人を対象とする全国代表調査に基づいている。このデータによると、米成人人口の20.1%に当たる約4900万人が習慣的に喫煙しているという。

 自己申告調査の結果では、喫煙者の約87%に当たる4200万人が、紙巻きたばこ、葉巻、パイプたばこなどの可燃製品を使用。電子たばこを使用していると答えた人と、葉巻関連製品を使用していると答えた人は、それぞれ全体の3.5%と3.4%にととまった。

 他方、かみたばこや嗅ぎたばこなどの無煙たばこの使用は全成人の2.3%で、水パイプ、水きせるなどの使用は1.2%だった。

 男性の喫煙率は女性に比べてはるかに高く、報告書によると、その割合は男性の25%に対し、女性は15%。喫煙率が最も高かったのは、年収3万5000ドル(約400万円)未満の人々と、高校を卒業していない人々だった。

 米食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリーブ(Scott Gottlieb)長官は「今回の調査結果は、喫煙が引き起こす病気と死亡を減らすためにさらに多くの対策を講じる必要があることを浮き彫りにしており、FDAはこれを実行するための包括的な取り組みをすでに発表している」と指摘した。

 また、FDAが「紙巻きたばこの常習性を最小限またはゼロにするために、たばこのニコチン含有量を規制することを検討している」ことも明らかにしている。(c)AFP