【11月9日 AFP】「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」は8日、仏ラグジュアリーハウス「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」のトップを20年間勤めたシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)CEOの退任を発表した。

 トレダノ氏は「クリスチャン・ディオール」ブランドの成長を見てきた。特に2000年から2007年にかけては人気デザイナー、エディ・スリマン(Hedi Slimane)がコレクションを手掛けたことにより、メンズファッションが著しい成長を見せた。またトレダノ氏は2011年に、当時チーフデザイナーを務めていたジョン・ガリアーノ(John Galliano)が仏パリのカフェで反ユダヤ的な言動をしたことを受け、ガリアーノを「LVMH」グループから排除する決断を下した。

 トレダノ氏の跡を継ぐのは、「LVMH」傘下の「フェンディ(Fendi)」のチェアマン兼CEOピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)氏。このリーダーの交代は来年初めに実施される。

「シドニー・トレダノは『クリスチャン・ディオール・クチュール』の世界的成功の原動力だ」と「LVMH」のベルナール・アルノー (Bernard Arnault)取締役会長兼CEOは声明で告げ、ベッカーリの任命は「新しい時代」を意味するとした。またアルノー氏は「カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)のクリエイティビティを上手く持ち合わせている」とベッカーリ氏を称賛した。

 約70年前に創設された「クリスチャン・ディオール」は、世界中で5000人ものスタッフを雇用し、商品をほぼ独占的に専用ネットワークである198店舗で販売しており、売上は過去5年で2倍に伸びている。 (c)AFP