【11月9日 AFP】ドイツの連邦憲法裁判所は8日、議会に対して、生まれながらの「第3の性」を認める法改正を2018年末までに行うよう命じた。実現すれば、欧州で初めてインターセックスの人たちが男性でも女性でもない性を選べるようになる。

 インターセックスの人々は、染色体や性器など性的形質が典型的な男女の区別に完全には適合しないといった特徴がある。インターセックスの原告は、出生届の性別の選択肢に男女のほかに「インター」か「複数」を加えるよう求めて訴訟を起こしていた。

 憲法裁は、市民の地位に関する現行の規制はインターセックスの人たちに差別的だと指摘。個人の性的アイデンティティーは基本的な権利として保護されていると述べた。その上で、議会は2018年末までに、出生届に第3の性の選択肢を含める新たな法律を可決しなければならないとした。

 最高裁はまた、裁判所や州当局はインターセックスの人たちに対して、男性か女性かの選択を強制すべきではないとの判断も示した。

 ドイツ政府は憲法裁の判断について「実行に移す用意ができている」(内務省報道官)と、従う姿勢を示している。

 ドイツでは1か月前に同性婚が合法化されたばかりで、連邦反差別局(Federal Anti-Discrimination Agency)は今回の判断を「歴史的」だと歓迎している。(c)AFP/Jürgen OEDER