■自分を鼓舞し前を向く

 ステファニー・ザレフ(Stephanie Zarev)さん(44)は銃弾の破片が当たった腕に、不死鳥のタトゥーを彫った。「あんな恐ろしい夜を経験しても、生きる意味はたくさんある」

 ソフィーさん(33)は脚に銃弾2発を受け、今は足を動かすことができない。太ももにはメキシコの死者の日を象徴する骸骨の貴婦人「カトリーナ(Catrina)」、足にはひまわりのタトゥーを入れた。「傷を昇華させたくなかった。際立たせたかった」とソフィーさんは話す。

 家族を失った人たちもまた、タトゥーを入れている。

 フロランス・オンスラン(Florence Ancellin)さんは足首にニンジン(キャロット)のタトゥーを入れた。「キャロット」は「バタクラン」で亡くなった24歳の娘、キャロラインさんのニックネームだ。

 パートナーのオリヴィエさんを亡くしたファニー・プロビル(Fanny Proville)さんは他の人とは少し異なり、背中に「時には忘れることも必要」と彫った。

「彼がそこにいるとわかってる」プロビルさんは語る。「たとえいなくてもね」 (c)AFP/Marie GIFFARD