【11月7日 AFP】中国で開催された自転車ロードレースのツアー・オブ・ハイナン(Tour of Hainan)で、地元チームの科一ルック(Keyi Look Cycling Team)の所属選手がスイス代表チームを襲撃する前代未聞の事件が発生。海南島(Hainan Island)で行われたレースの主催者は、科一ルック所属のワン・ジン(Wang Xin)が暴力行為をはたらき、警察が介入する事件を引き起こしたとして、チームとともに大会から追放されたと発表した。

 ウェブサイトに投稿された動画では、ワンと思われる科一ルックのライダーがスイスチームのスタッフの一人を地面に押し倒し、頭を蹴っている場面が確認された。この選手はさらに、武器として使用するつもりだったのかサポートカーから空気入れを取り出し、大勢の人が衝撃を受けながら見守るなか、警察や見物人に制止されていた。

 3日に行われた第7ステージ(三亜〈Sanya〉から五指山〈Wuzhishan〉、166.5キロメートル)の終盤に起きた今回の問題を受け、さらなる制裁を検討している中国自転車協会(CCA)の説明によると、事の発端はワンがスイスチームの車から「体当たり」されて転倒したこととされている。

 この事件ではワンに加えて科一ルックのスタッフも関与していた疑いがあり、CCAは声明で「野蛮な行為や暴力は一切容認できない」とすると、「CCAとして今回の事件を詳しく調査し、さらなる決断を下すことになる」と述べた。

 スイスチームのダニーロ・ホンド(Danilo Hondo)監督とワンに襲われたスタッフの一人は、同選手に車をぶつけたことを否定しており、スポーツ専門放送局ユーロスポーツ(Eurosport)に対して、「絶対に彼には当たっていない。それはレースの動画で確認できるし、別のライダーの後輪にぶつかって転倒しただけだ。彼は明らかに激怒していて、私たちに不満をぶつけてきた」と語った。

「レース後に彼のところへ行こうとした。実際にわれわれはレースが終わってから45分間も彼を待ち、何か誤解があったら謝罪して、彼と彼のチームをリスペクトしていることと、危害を加えるつもりはなかったことを示そうとした。しかし、彼もチームも怒りながらわれわれに近づいてきて、そこからすべてがエスカレートしていった」

 科一ルックとワンは、中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(微博、Weibo)」に投稿した声明で謝罪したものの、スイスチームの車が同選手に当たったと主張した。

 大会主催者は科一ルックの復帰は金輪際認めないとしており、「ワンの行為は容認できないものであり、中国の自転車界を象徴するものではない。海南の人々はとても友好的で知られている。ツアー・オブ・ハイナンのイメージや名声は、このような不適切な行為によって汚されるものではない。この大会で暴力は決して許されない」と述べた。(c)AFP