【11月7日 AFP】2020年東京五輪を開催する東京都は6日、巨額に膨らんだ予算の見直しを迫られているなか、総額で3億6000万ドル(約413億円)の経費削減が見込まれると発表。都の担当者によると、工法の変更に加えて一部の会場では仮設スタンドを設置するなどして対応するとしている。

 東京都はAFPの取材に対して「総額で413億円の整備費用を削減できる」とした上で、都が負担するのは当初試算されていた2241億円から1828億円になると明かした。2020年東京五輪の予算については、招致に成功した当初から4倍の額に膨れ上がっており、小池百合子(Yuriko Koike)都知事は昨年、3会場について計画見直しを指示していた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は今年6月、日本が予算を200億ドル(約2兆2700億円)から130億ドル(約1兆3850億円)に削減したとして評価していたものの、開催に名乗りを上げている地方の予算も見直せるはずだとして、さらなる削減を求めていた。

 2020年東京五輪の準備状況を監督するIOC調整委員会のジョン・コーツ(John Coates)委員長は、「現時点で予算が130億ドルまで削減されたことは別として、これからも予算の見直しに向けて努力を続けていくことに加え、予算を最大限に活用することは東京都や納税者だけでなく、IOCにとっても非常に重要だ」と語っていた。

 2024年大会については当初、伊ローマをはじめ、独ハンブルク、米ボストンなどが開催に名乗りを上げていたものの、市民からの支持が減少していることや予算に対する不安の声が上がっていることを背景に、巨額の資金が必要になる五輪の開催することを支持者に訴えるのは政治的に難しいと判断して、次々と立候補を断念した。

 最終的にはブダペスト(Budapest)も撤退して、仏パリ(Paris)と米ロサンゼルス(Los Angeles)だけが残ったことを受け、IOCは開催地決定のプロセスを変更し、今年9月の総会では夏季五輪の2024年大会をパリ、2028年大会をロサンゼルスで開催することを同時決定した。(c)AFP