【11月4日 AFP】アフガニスタンでの従軍中に脱走し、武装勢力に5年間拘束された末に解放された米陸軍のボウ・バーグダール(Bowe Bergdahl)軍曹(29)に対し、米軍法会議は3日、禁錮刑を科さない決定を下した。同軍曹を「反逆者」と呼んでいたドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はこの判決を「完全な恥辱」と呼び批判した。

 バーグダール軍曹は裁判で、脱走と同僚兵士を危険にさらした罪を認めており、最高で終身刑を言い渡される可能性があった。だが米国防総省によると、軍法会議は同軍曹に対し、不名誉除隊と、二等兵への降格、1万ドル(約110万円)の罰金を科した。

 トランプ大統領は昨年の大統領選中、バーグダール軍曹を死刑に処すべきだと主張していた。アジア歴訪に出発したトランプ氏は大統領専用機「エアフォースワン(Air Force One)」の機内からのツイッター(Twitter)投稿で「バーグダール軍曹に対する判決は、われわれの国と軍に対するまったくもって完全な恥辱だ」と表明した。

 バーグダール軍曹は、2009年にアフガニスタン東部の基地から脱走した直後、旧支配勢力タリバン(Taliban)に拘束され、タリバン系武装組織「ハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)」に引き渡された。

 同軍曹は隣国のパキスタンで5年間にわたり捕虜となった末、2014年にタリバン戦闘員5人との捕虜交換で解放された。当時のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領はこの取引をめぐり激しい非難にさらされた。(c)AFP