【11月4日 AFP】17MLBのワールドシリーズ(7回戦制)を制したヒューストン・アストロズ(Houston Astros)が3日、地元ヒューストン(Houston)で優勝パレードを行った。わずか2か月前に未曽有の大洪水に見舞われた同地の通りには、数千人の市民があふれ返ってお祭り騒ぎとなった。

 アストロズのチームカラーであるオレンジ、ネイビーブルー、そして白の服を身にまとった数え切れないほどのファンが沿道に並ぶなか、ヒューストンの街は非公式の休日扱いとなり、市庁舎で行われる午後のパレードに向けて一部の会社や学校が休みになった。

 1日に行われたロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)との第7戦を5-1で制したアストロズは、1962年の創設以来初のワールドシリーズ制覇を達成。シリーズは互いに本塁打合戦を繰り広げて息をのむような激戦となり、ハリケーン「ハービー(Harvey)」による大災害から復興の最中だったテキサス(Texas)の街にとっては大きな励みとなった。

 今年9月にヒューストンを襲ったハリケーンでは、メキシコ湾(Gulf of Mexico)に流れ込む複雑な自然の水路があふれて大洪水となり、88人が亡くなったほか街の一帯が水没した。被災者は現在も日常生活を取り戻している最中で、それぞれの自宅は損傷や壊滅に見舞われており、所有物などの代用品も調達できていない。

 被災者の男性は、地元テレビ局KHOUに対して「これは大きな意味がある。われわれは全員が王者だ。みんなで一つの球団を応援している」と語った。

 ダウンタウンの通りを練るように進んだパレードでは、群衆に手を振る政治家や、音楽を演奏するヒューストン大学(University of Houston)のブラスバンド部のほかに、巨大な球と行進するグループの姿もみられた。

 その中心にいたアストロズの選手たちは、紙吹雪が降り注ぐなかで2階建てバスなどの屋根でワールドシリーズのトロフィーを掲げ、大声援を送られていた。シルベスター・ターナー(Sylvester Turner)市長は、「ヒューストン市にとって、これは特に特別なことだ。アストロズは文字通り、この街にかつてないほどの団結をもたらした」と述べた。(c)AFP