【11月3日 AFP】サッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)は2日、グループリーグ第4節が各地で行われ、ビトリア・ギマラエス(Vitoria Guimaraes)と敵地で対戦したオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)のパトリス・エヴラ(Patrice Evra)は、試合前に自チームのサポーターに空手のような蹴りを見舞い、退場処分を受けた。

 試合前にマルセイユの選手は、ポルトガルを訪れた500人のマルセイユサポーターに用意された席のエリアから来た一団と一触即発の状態になり、36歳のエヴラがその中の一人の頭部に蹴りを入れた様子をAFPの記者は確認した。

 一部のファンはスタンドを乗り越えてピッチに乱入しようとし、タッチライン際に設けられた看板付近でエヴラと口論となった。警備員はすぐ騒動に介入し、この日は控えだったエヴラは審判から控室に戻るように命じられた。

 この出来事はすぐにあるフランス人選手の蛮行を思い起こさせた。

 1995年1月、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属していたエリック・カントナ(Eric Cantona)氏は、クリスタルパレス(Crystal Palace)戦で退場処分を受け、やじを飛ばした相手チームのサポーターにカンフーキックを見舞い、イングランドサッカー協会(FA)から9か月間の出場停止処分を受けている。

 サッカーのデータを扱うオプタ(Opta)によると、エヴラはヨーロッパリーグの歴史で試合が始まる前に退場処分を受けた第1号だという。

 元ユナイテッドのエヴラは、今季の低調なパフォーマンスに対し厳しい批判を受けており、アストン・ビラ(Aston Villa)から期限付きで加入したジョルダン・アマヴィ(Jordan Amavi)にポジションを奪われている。

 マルセイユのルディ・ガルシア(Rudi Garcia)監督は「パット(エヴラ)は経験があるのだから、反応してはいけなかった。彼はただ経験が豊富なだけではない。もちろん、侮辱した相手も悪いし、彼らがわれわれのサポーターだということも信じられない。冷静さを保つことは学ぶべきだ。私が言えるのはそれだけだ」としたものの、フランス代表戦通算81試合に出場した経験を持つエヴラにやじを飛ばしたサポーターについて非難した。

「彼はマルセイユのサポーターではない。自分のクラブの選手を侮辱できるはずがない。サポーターはわれわれを応援しなくてはならないのだから」 (c)AFP