【11月1日 AFP】サウジアラビアの観光当局は10月31日、同国が近く観光ビザの発給を始める予定があることを明らかにした。政府は原油依存からの脱却を目指して経済改革を進めており、海外からの訪問客を増やして観光業に力を入れる姿勢を示している。

 原油価格の低迷が続き、観光業がサウジアラビアの新たな経済成長の原動力と目されている中、同国観光当局のトップを務めるスルタン・ビン・サルマン・ビン・アブドル・アジズ(Sultan bin Salman bin Abdul Aziz)王子は声明で、「観光ビザが近く導入される」と明らかにした。具体的なスケジュールについては触れられていない。

 イスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」でサウジアラビアを訪れるイスラム教徒とは異なり、多くの人たちは面倒な入国ビザ取得手続きに悩まされ、法外な費用を支払っている。

 サウジアラビアの首都リヤドでは来週、同国初となる考古学会議が予定されており、政府は国内の歴史遺産をアピールする場にしたいものとみられている。また、同国のムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子は8月、紅海(Red Sea)に浮かぶ50の島などを高級リゾート化する観光開発プロジェクトを発表している。

 豊かな自然に恵まれているとはいえ、飲酒が厳しく禁じられていることなどもあり、これまでサウジアラビアは観光地としてほとんど注目されてこなかった。(c)AFP