【11月1日 AFP】17MLBのワールドシリーズ(7回戦制)は、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)が第6戦を制してヒューストン・アストロズ(Houston Astros)と対戦成績を3勝3敗のタイに戻し、第7戦はダルビッシュ有(Yu Darvish)が勝負の先発マウンドに臨むことになった。「良い試合がしたい」と話すダルビッシュは勝利だけを目指し、人種差別や「飛ぶボール」など、試合以外の話題に気を取られるつもりはない。

 ドジャースは31日、アストロズから3-1の逆転勝利を収め、勝負を第7戦に持ち越した。7月にトレードでテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)から加入したダルビッシュは、第3戦に先発登板し、ワールドシリーズで先発した2人目の日本人投手になったものの、1回3分の2を投げて1本塁打を含む被安打6と役割を果たせなかった。

 今回のワールドシリーズについては、アストロズのジャスティン・バーランダー(Justin Verlander)とダラス・カイケル(Dallas Keuchel)が、試合球の滑りやすさを指摘していて、ダルビッシュも「最初の2試合の後に、カイケルとバーランダーがボールが飛ぶと話したというのは聞いたし、そのことは知っていた」と話している。しかし、実際に大きな違いを体感したのは、レギュラーシーズンと同じ試合球での練習を終え、マウンドに上がった後のことだった。

「スライダーが曲がらないとは思っていたが、試合を終えて戻って来て、スライダーが抜けていることがわかった。リリースがうまくいかなかった。どうしてこうなったのかはわからない。ボールが滑るという記事も読んだ。体調か、技術的な部分なのか、ボールが原因なのかはわからない。はっきりしたことは言えないけど、次は繰り返さないようにしたい」

 序盤にKOされた前回の登板では、ダルビッシュから本塁打を放ったユリエスキ・グリエル(Yuli Gurriel)が人種差別的なしぐさをしたことも問題となった。リーグはグリエルに来季開幕から5試合出場停止の処分を科したが、処分をワールドシリーズ中から適用すべきではないかと感じている人もいる。

 それでもダルビッシュは「まったく気にしていない」と落ち着いた様子で謝罪の必要はないと話し、グリエルの処分は適切だと思うかという質問には「どう判断していいかわからない。人種差別はすごく大きなことだけれど、ワールドシリーズも大きなこと。なんと言っていいかわからない」と明言を避けた。

 そしてダルビッシュは、第3戦の投球は忘れて、アストロズを抑えることに集中するだけだと話した。

「自分にとってはどの試合も大事なことに変わりはない。マウンドに上がるときはいつも全力で臨んでいるし、それはあしたも同じ」 (c)AFP