【11月28日 AFP】2018年に韓国で開催される平昌冬季五輪の開幕が近づくなか、同国五輪組織委員会(POCOG)の李熙範(イ・ヒボム、Lee Hee-beom)会長は、核開発を進める北朝鮮から攻撃を受ける可能性があるとの懸念を「大げさ」だと一蹴している。

 今年9月に過去最大規模となる6回目の核実験を行った北朝鮮は、日本上空を通過するミサイルを太平洋に飛ばす一方で、米政府と舌戦を繰り広げて戦争も辞さない構えをみせている。

 朝鮮半島を分断する軍事境界線から80キロメートルしか離れていない平昌(Pyeongchang)で、来年2月に冬季五輪が開催されることについては、いくつかの国から不安の声が上がっている。しかし、李会長はAFPの取材に対して、平昌が攻撃されるかもしれないと心配するのは大げさだと強調し、緊急時の対応策は準備しているとはいえ、それが必要になることはあり得ないと語った。

「朝鮮半島が分断されたのは最近の話ではない。1945年から分かれている」と話した李会長は、これまで韓国では「非常に安全かつ厳重な警備体制が敷かれたスポーツ大会」が開催されていると強調。「平昌も例外ではない」とした上で、攻撃を恐れる声について「少々大げさだ」と主張した。

 フランスをはじめ、ドイツ、オーストリアが大会期間中の選手の安全確保に懸念を示し、英国が緊急時の避難計画を立案するなか、国際オリンピック委員会(IOC)は10月に行われた五輪サミットで「全面的な支援」を約束し、大会中止や開催地変更の可能性があるとの臆測を鎮める動きに出ている。