【10月31日 AFP】米国で先週、脳性まひがある不法移民のメキシコ人少女(10)が、病院で手術を受けた直後に移民当局の職員に身柄を拘束されていたことが分かった。人権団体が30日、告発した。

 この少女はロサ・マリア・エルナンデス(Rosa Maria Hernandez)ちゃん。米国自由人権協会(ACLU)は、複数の関係政府機関に宛てた手紙の中で「ロサ・マリアちゃんを強制的に家族から引き離すのは、本人と家族全員の精神と感情に深刻な害をもたらす行為だ」と批判し、ロサ・マリアちゃんを解放してメキシコ国境沿いにあるテキサス州ラレド(Laredo)に住む両親の元へ帰すよう求めた。

 ACLUは、31日午後までに解放しなければ「直ちに法的措置を取る」と警告している。

 米メディアによると、ロサ・マリアちゃんは生後3か月の時に、娘により良い医療治療を受けさせたいと望む母親に連れられてメキシコ側の町ヌエボラレド(Nuevo Laredo)から不法に国境を越えてラレドに移住してきた。

 先週、ロサ・マリアちゃんらは手術のため州内の病院に救急搬送される途中に検問所で制止された。その後、移民当局の職員らは病院に同行し、手術が終わった後すぐにロサ・マリアちゃんの身柄を拘束したという。

 幼いロサ・マリアちゃんの身柄拘束には強い怒りの声が上がり、不法移民の拘束数が増える中でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の政策の優先順位を疑問視する見方も出ている。(c)AFP