【10月30日 AFP】中国で化石が見つかった約1億3000万年前の羽毛恐竜に、敵に見つかりにくくするための濃淡模様があったとの研究成果を、英国の研究者らが米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表した。恐竜に関する通説を覆す発見だという。

 同誌に26日に掲載された論文によると、この恐竜はシノサウロプテリクス(Sinosauropteryx)という小型の羽毛恐竜で、十数年前に化石が発見されていた。

 研究チームが恐竜の色を再現したところ、カムフラージュのための模様が複数あることが判明。ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)など、大型の肉食恐竜から身を守るのに役立っていたとみられる。

 目の周りの濃淡のしま模様は、現代の鳥類にも見られる天敵から目を守るための模様と似たものだ。尾にも縞模様があり、天敵と捕食する動物の両方を混乱させる効果があったと考えられるという。

 論文を執筆した研究者の一人、英ブリストル大学(University of Bristol)のフィアン・スミスウィック(Fiann Smithwick)氏は、「少なくとも一部の恐竜には天敵から身を隠し、相手を混乱させるための複雑な色模様があった。今日の動物のようにだ」と指摘している。(c)AFP