【10月30日 AFP】17F1第18戦メキシコGP(Mexican Grand Prix 2017)は29日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、1周目にタイトルを争うフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)とクラッシュするという予期せぬ劇的な展開に見舞われたが、通算4度目の総合優勝を果たした。

 仮にベッテルが優勝した場合でも、5位以内に入ればドライバーズタイトル獲得となるハミルトンだったが、クラッシュでタイヤがパンクしたことで1周目からピットに入らざるを得ず、最後尾に転落。その後9位でレースを終えた。

 すでに4度のタイトル獲得を果たしているベッテルは、フロントウイングの破損でこちらもピットに入り19位まで順位を落としたものの、4位でフィニッシュした。

 レースはレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が制した。

 これでハミルトンはジャッキー・スチュワート(Jackie Stewart)氏を上回り、英国人ドライバーによる総合優勝の最多回数を更新。4度のタイトル獲得でベッテル、そしてアラン・プロスト(Alain Prost)氏に並んだ。

 史上最多は通算7回のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏で、2位には通算5回のファン・マヌエル・ファンジオ(Juan-Manuel Fangio)氏が続いている。

 ハミルトンは「(クラッシュが発生した)ターン3で何が起きたのか分からなかった。スペースは十分に与えていたのに。40秒も差をつけられたら、自分の望むレースいならないが、それでも諦めなかった」とコメントした。

 直近6レースで5度の優勝を飾っていたハミルトンは優勝してタイトルを手にしたいと語っていたが、本人にとっては残念な形での戴冠となった。

「このメルセデスチームの全員に大いに感謝したい。この数年みんなが成し遂げてきたことは信じられないことだ。本当にありがたく感じている」

 過去3度のドライバーズタイトルを獲得しているメルセデスの非常勤会長のニキ・ラウダ(Niki Lauda)氏は、「ルイスが勝った、値する勝利だ」と、ハミルトンの偉業をたたえた。

 一方でラウダ氏は、1周目のクラッシュの原因はベッテルにあると考えている。

「なぜセバスチャンが積極的に自分のレースを壊しにいったのか解せない。ルイスは前にいて、ベッテルはフロントウイングをぶつけた。理解に苦しむ」

 ハミルトンはクラッシュの際、チームラジオに対し「わざとぶつけてきたのか?」と尋ねたが、チーム側は「確証はない」と返答していた。(c)AFP