【10月29日 AFP】アイスランドで28日、1年間で2度目となる解散総選挙が実施された。アイスランド経済は好調だが、スキャンダルにまみれた政治家たちへの国民の根深い不信が浮き彫りになった。

 保守派の独立党のビャルニ・ベネディクトソン(Bjarni Benediktsson)首相は先月、3党で連立する中道右派連合の若手議員がベネディクトソン氏の父親も絡む法的問題をめぐって辞職したことを受け、議会を解散し総選挙を実施すると発表していた。アイスランドの総選挙は、2008年以降4度目。

 27日に国営放送RUVと現地紙モルゲンブラディット(Morgunbladid)が発表した世論調査結果によると、与党独立党はアイスランド議会「アルシング(Althingi)」(定数63)で17議席しか獲得できない見通しだ。

 野党の左翼環境運動とその連立相手となる可能性のある社会民主同盟、反体制を掲げる海賊党は合わせて29議席を獲得する見込みだが、過半数には届かない。

 しかし第4の党の協力さえあれば、野党左派連合が与党中道右派連合から政権を奪い、アイスランドが1944年に共和国として独立して以来2度目となる左派政権が誕生する可能性がある。

 左翼環境運動のカトリン・ヤコブスドッティル(Katrin Jakobsdottir)党首(41)は今月、「わが党はアイスランド社会の長期的ビジョンについて幅広い結束を生み出せる政府を率いる意向だ」とAFPに語っていた。

 モルゲンブラディットが報じた9月19~21日の世論調査の結果によると、アイスランド人のおよそ2人に1人がヤコブスドッティル党首が新首相になることを望んでいる。(c)AFP/Ilgin KARLIDAG