【10月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は28日、欧州の出生率が低水準にある現状に警鐘を鳴らし、将来社会で生きていく道を準備している若い世代への支援を強化するよう促した。

 法王は「欧州カトリック司教会議委員会(COMECE)」が催した「欧州再考((Re)Thinking Europe)」で、「欧州がコミュニティーとしての自らを再発見することが、欧州自身と世界全体の発展の源となるのは間違いない」と述べた。

 その上で法王は、欧州は「劇的な不妊の時期」に悩まされていると指摘。「原因は欧州の少子化や、出生の権利を否定された子どもが多すぎることばかりではなく、若い世代が将来に向き合う上で必要な物質面や文化面の手段が伝わっていない状況も一因だ」と語った。

 フランシス法王は2014年に欧州議会(European Parliament)で演説した際に、欧州連合(EU)を既に子どもを産めなくなり、活力を失った「祖母」になぞらえたことがある。

 28日は、欧州が「多数の文化や宗教が存在する点でますます際立つようになっている」とする一方、移民の同化に関しては「無関心や恐怖の壁」ができるリスクがあると警告し、移民は「負担というよりもむしろ資源である」との認識を示した。(c)AFP