【10月27日 AFP】保有資産が10億ドル(約1140億円)を超える資産家、いわゆるビリオネア(超富裕層)の人数が2016年に世界で1500人を超えたことが26日、スイス金融大手UBSと国際監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の年次報告で明らかになった。前年比で10%の増加で、特にアジアでの伸びが顕著だったという。

 報告書によると2016年のビリオネアの人数は1542人。中国人起業家の台頭を受けてアジアのビリオネアが637人となり、米国の563人を初めて上回った。欧州のビリオネアはこれに次ぐ342人だった。また、全体の4分の3を中国とインドの出身者が占めた。

 ビリオネアの保有資産は総額6兆ドル(約680兆円)に拡大し、減額した前年と比べて17%増加。全ビリオネア1542人が保有または関与する企業の雇用者数は合わせて2770万人に上った。

 富裕層と貧困層の格差はいまだ世界各国で差し迫った政治課題となっている一方、報告書によれば超富裕層の資産が貧困者支援に用いられる傾向はますます強まっている。「今後20年で推計2兆4000億ドル(約270兆円)が送金され、かなりの額が慈善目的で使われる」との見方を報告書は示している。(c)AFP