【10月29日 東方新報】ヒールの高さを調節できるハイヒール、椅子付きのスーツケース、「つまらない」便器……中国・湖北大学(Hubei University)コンピューター学院の電子・通信エンジニアリング学科に通う24歳の大学院生、廖可富(Liao Kefu)さんは1年間に16個の発明特許を申請、在すでに9個の特許が降りているという。

 発明に目覚めたのは、廖さんが当時まだ別の大学で通信エンジニアリングを学んでいた冬のある日。バスターミナルで故郷の湖北省(Hubei)荊州市(Jingzhou)監利県(Jianli)行きのバスを待っていたときのことだった。待合室は満席で、荷物をたくさん抱えていた廖さんはずっと立ちっぱなしで待つしかなかった。「どこか座れる場所があればいいのになあ」と思った瞬間、「スーツケースに折りたたみの椅子をくっつければいいことじゃないか!」とひらめいた。このアイディアを大学の教員に話すと、廖さんはすぐにアイディアを絵に描いたという。

 それからというもの、廖さんはメモ帳を持ち歩くようになり、日常生活の中でひらめいたらすぐにメモをするようになった。暇さえあれば発明に夢中になっていた。同級生がトイレでネックレスを便器に落としてしまったと聞けば、廖さんは茶こしから便器の中にかごのようなものを取り付けることを連想。バネをつけて、簡単に取り付け・取り外しができるようにした。こうすれば、大切なものを落としたとしても「救出」することができる。

 廖さんは、場面に応じてヒールの高さを調節できるハイヒール、ワイパーから着想した水が吹き出て自動できれいになる黒板、足が冷えやすいお年寄りのために、発熱し同時にマッサージもしてくれる靴……廖さんはこれらのひらめきを思いついたらすぐに書き記し、研究した。

 そして昨年、廖さんは一度に16個の発明特許を申請した。「すべて日常生活の中でひらめいたこと。きっとみんなの生活を便利にしてくれると信じています。これまでの発明を支えてくれた、湖北大学の先生方にも感謝しています」と話した。

 廖さんの家庭は裕福ではなく、学費はローンで支払っているという。そんな廖さんの一番の願いは、自分の発明が商品化して、本当に社会の役に立つこと。そうすることで、経済的な問題も自分の力で解決したいという。(c)東方新報/AFPBB News