【10月25日 AFP】大手出版社「コンデナスト・インターナショナル(Conde Nast International)」は24日、長年モデルたちに対して性的虐待を行ったとして糾弾されている米国の写真家、テリー・リチャードソン(Terry Richardson)の作品を今後掲載しないと正式に発表した。

 米大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)が長年にわたり女優らにセクハラや性的暴行を繰り返していたとされる問題が明るみに出て以降、権力を持つ男性による不適切な行為は容認できないものだと、モデルをはじめとする女性たちが声を上げている。

「ヴォーグ(Vogue)」「ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)」「グラマー(Glamour)」などを発行している英国を拠点とする「コンデナスト・インターナショナル」は23日、今後はリチャードソンとは仕事をしないとするメールを報道陣に宛て送信した。

 スタッフには、既にリチャードソンに発注した企画で未掲載のものは「取りやめ、もしくは代替」するように指示が出ていると、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は報じている。

「コンデナスト・インターナショナル」はメールの内容を認め、その他のコメントはないとし、「コンデナストUS(Conde Nast US)」は、リチャードソンとは今後「なにも予定していない」とした。

 コンデナストUSは「どのようなセクシュアルハラスメントも容認されるものではなく許されるものではない」とメールを通してAFPに告げた。

 米国ニューヨーク(New York)出身のフォトグラファーは、ファッション業界において露骨な性描写や物議を醸し出すモデルの写真で知られる。彼の作品は高級雑誌に掲載され、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)」「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などといった有名ラグジュアリーブランドの広告キャンペーンも手掛けている。

 就任前のバラク・オバマ(Barack Obama)前米国大統領の写真や、2013年に発表された歌手、マイリー・サイラス(Miley Cyrus)の「レッキング・ボール(Wrecking Ball)」のミュージックビデオを撮影。サイラスは同ミュージックビデオに裸で出演しており、後悔していると後に話している。