【10月23日 AFP】フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相は23日、南部ミンダナオ(Mindanao)島マラウィ(Marawi)を拠点とするイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力との5か月に及ぶ戦闘が終結したと発表した。一連の戦闘では1100人以上が死亡している。

 ロレンザーナ国防相は、同国北部クラーク(Clark)で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議の会場で記者団に対し、モスク(イスラム礼拝所)内での武装勢力との最後の戦闘が終わったと明かし、「マラウィにおける全戦闘作戦の終了を発表する」と宣言。「マラウィ市内には武装勢力はもういない」と言い切った。

 フィリピンではカトリック教徒が多数を占めるが、マラウィにはイスラム教徒が多い。ISに忠誠を誓う地元武装勢力と外国人戦闘員らは5月23日、マラウィを急襲し、民間人を「人間の盾」にして市内各地を占拠。米国の支援を受けたフィリピン軍の作戦では、武装勢力側の少なくとも920人に加え、兵士165人と民間人47人が死亡した他、40万人以上の住民が避難を余儀なくされていた。

 今回の戦闘終結宣言で、ISがマラウィに東南アジアの拠点を築くという切迫した恐れは払拭(ふっしょく)されたが、同地域におけるISの長期的な狙いと攻撃能力をめぐる懸念は残っている。(c)AFP/Ayee Macaraig