【10月22日 AFP】不穏な情勢が続くニジェール南西部で21日夜明けごろ、憲兵隊が武装グループに襲撃され、憲兵13人が死亡した。マリと国境を接する同地域ではイスラム過激派による襲撃が相次いでおり、4日にも米軍とニジェール軍の合同パトロール隊が待ち伏せ攻撃を受け8人が死亡している。

 襲撃があったのは首都ニアメー(Niamey)の北西200キロほどにあるティラベリ(Tillaberi)州のアヨル(Ayorou)。国防省のアマドゥ・サンバ・ガガラ(Amadou Samba Gagara)報道官は「アヨルの憲兵隊が車やオートバイに乗った正体不明の武装分子らが実行したテロ攻撃を受けた」と国営テレビで発表。暫定的な数字として兵士13人が死亡、5人が負傷したと語った。

■米兵襲撃は地元村長が共謀か

 ニジェール南西部では4日にも巡回中だった米軍とニジェール軍兵士が武装集団に襲撃され米兵4人、ニジェール兵4人が死亡した。ニジェール政府はこの襲撃を「テロリストによる攻撃」としている。襲撃事件は、情勢不安定なニジェール南西部での対テロ活動において、それまでほとんど知られていなかった米軍の存在を顕在化させた。

 4日の襲撃について、ある治安当局関係者は21日、実行犯と共謀していた容疑でトンゴトンゴ(Tongo Tongo)村の村長が逮捕されたとAFPに明かした。村長は当日予定されていた村の長老らと米兵との会合を数分遅らせて、武装集団の奇襲攻撃を手助けした疑いがもたれているという。

 ニジェールと米国両政府も、襲撃の背後には地元の有力者とイスラム過激派との「共謀」があるとみていた。

 ティラベリ州では軍事拠点や難民キャンプを標的としたイスラム過激派の攻撃が増加しており、治安は悪化の一途をたどっている。(c)AFP