【10月22日 AFP】ドイツ南部ミュンヘン(Munich)で21日、刃物を持った男が無差別に通行人を襲い、警察によると8人が軽傷を負った。男は自転車で逃走したが、数時間後に警察が身柄を拘束した。テロの可能性はないという。

 事件は21日早朝、市中心東部のローゼンハイマープラッツ(Rosenheimer Platz)近くの6か所で男が刃物で通行人を次々と襲い、12歳の少年1人を含む8人が負傷したもの。警察によると、負傷者はほとんどが浅い傷を負った程度だという。負傷者の国籍はドイツ人6人、イタリア人1人、ルーマニア人1人。

 男はその場から自転車で逃走したため、警察は住民に屋外へ出ないように呼び掛けていたが、数時間後に男の身柄を拘束した。男が拘束されるまでミュンヘン市内は一時、緊張に包まれた。

 ミュンヘン警察のフベルトゥス・アンドレ(Hubertus Andrae)署長は記者会見で、身柄を拘束されたのは窃盗と暴力の前科がある33歳の男で「精神疾患」があるとみられると述べた。

 男は警察の取り調べに対し供述を拒否しており犯行の動機は不明だが、警察はこれまでの捜査結果から、動機は政治や宗教に根差したものではなく、犯行にテロの要素はまったくないと確信しているという。

 ミュンヘンでは昨年7月、大量殺人に強い関心を抱いていたドイツとイランの二重国籍を持つ18歳少年がショッピングモールで銃を乱射して9人を殺害し自殺する事件が発生している。(c)AFP