【10月22日 AFP】内務省は21日、エジプトの西方砂漠(Western Desert)で前日夜に始まった警官隊と武装組織との銃撃戦で警察官16人が死亡したと発表した。治安当局や医療関係者による当初情報は、この戦闘で死亡した警察官の数を少なくとも35人としていた。

 銃撃戦があったのは、西方砂漠のバハレイヤ・オアシス(Bahariya Oasis)と首都カイロ(Cairo)を結ぶ道路。内務省の説明によると、武装組織がカイロの南西200キロと離れてない地域に潜伏して訓練を行いテロ活動の実行準備をしている事実を把握し、警官隊を同地に派遣したところ、接近した警官隊に武装組織が重火器で攻撃。これに警官隊も反撃して数時間におよぶ戦闘となり、警官16人が死亡、13人が負傷、1人が行方不明となった。死亡した警官らのひつぎはエジプト国旗にくるまれ、国内各県で葬儀が執り行われた。

 現在のところ犯行声明は出ていない。戦闘が始まった直後には、「ハスム(Hasm)運動」と名乗る小規模のイスラム武装組織が犯行声明を出したとする虚偽の情報を複数の地元メディアが報じ、ソーシャルメディアでも虚偽情報が拡散していた。

 今回の戦闘現場から500キロ以上離れたシナイ半島(Sinai Peninsula)北部ではイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のエジプト支部が攻勢を強めており、エジプト軍や警察が掃討作戦を展開。これまでに兵士や警察官が多数死亡しているが、今回のようなシナイ半島の外での戦闘はまれだ。(c)AFP/Mohamed el-Shahed