【10月21日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)は20日、息子がカタルーニャ語で童謡を歌っている動画をインスタグラム(Instagram)に投稿した。スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立をめぐって緊張が高まる中、政治的な論争に足を踏み入れる形となった。

 動画はメッシの2歳の息子マテオ(Mateo Messi)君がカタルーニャ語で童謡を歌っている様子が映されているもの。

 この投稿には大量のコメントがつけられたが、その中にはメッシのチームメート、ジェラール・ピケ(Gerard Pique)のものもあった。

 メッシの投稿した動画に対し、ピケは「カタルーニャでは『坊やが踊る(Jean Petit qui danse)』(童謡の曲名)で子供に思想を吹き込むことを止めはしない…」とコメントし、学校で子供たちに特定の思想を吹き込んでいるとしてカタルーニャ当局を非難しているスペイン人たちを当てこすった。

 カタルーニャ自治州で子供たちに思想教育が行われているという疑いがあるとして学校の検査を強化させようという動きがあったが、スペイン中央政府は17日、この動きを退けていた。皮肉を込めたピケのコメントはこのことを踏まえた「時事ネタ」だった。

 ピケは公の場で同自治州の独立支持を表明したことはないが、独立の是非を問う住民投票を支持する姿勢は明確に示しており、裁判所の違憲判断にもかかわらず10月1日に強行された住民投票にも参加した。これを受け、一部のファンはピケがスペイン代表でのプレーをやめるよう求めている。

 2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でスペインを優勝に導いたピケらスペイン代表の主要選手らは、住民投票後に発生した衝突が繰り返されないよう、双方の政治指導者に対話を促している。(c)AFP