【10月21日 AFP】ドイツの自動車大手BMWは20日、同国南部ミュンヘン(Munich)の事業所で欧州連合(EU)による抜き打ちの立ち入り検査を受けたことを発表した。

 EUの行政執行機関、欧州委員会(European Commission)は、検査対象の企業名は明らかにしなかったものの、今月16日にドイツの自動車メーカー1社の構内で抜き打ち検査を実施したことを確認した。

 欧州委員会の声明によると、今回の検査は「ドイツの自動車メーカー数社が、カルテルや制限的な取引慣行を禁じたEUの独占禁止規則に違反しているという懸念」に関するものだという。苦境に立つドイツ自動車業界にとって新たな打撃となりそうだ。

 独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は今年7月、独自動車大手のフォルクスワーゲン(Volkswagen)、アウディ(Audi)、ポルシェ(Porsche)、BMW、ダイムラー(Daimler)が自動車の開発、建設、ロジスティクス、ディーゼル排ガス規制厳格化への対応策などで1990年代から秘密裏に協力し、その結果として自動車を購入する消費者や供給業者などが不利益を被ったと伝えていた。

 欧州委員会は、ダイムラーは欧州委に協力しているため、この件で寛大な措置が取られる可能性があるとしている。フォルクスワーゲンの関連文書を見たというシュピーゲルによると、フォルクスワーゲンは上記5社の通謀についてダイムラーと並んでいち早く競争当局に詳細を提供したという。(c)AFP/Alex PIGMAN