【10月21日 AFP】アジア・サッカー連盟(AFC)は20日、外交や核の問題をめぐり延期が繰り返されているアジアカップ(2019 AFC Asian Cup)予選の北朝鮮対マレーシアの試合について、中立の会場で開催すると発表した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏が今年2月にマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の空港で殺害されて両国に緊張が高まったことを受け、北朝鮮で行われる予定だった第1戦は延期されたままとなっている。

 2度の延期を経てようやく今月上旬に北朝鮮の平壌(Pyongyang)で開催されることが決定していたものの、同国の核開発で世界の警戒が増すなか、再びマレーシア側が北朝鮮への渡航を禁止したため、試合は3度目の延期が決まっていた。

 AFCによれば、「公平な競技を目指して、両チームによる2試合は中立の同じ会場で行われる」とされており、「ホーム」は来月10日の第1戦が北朝鮮、同13日の第2戦がマレーシアになるという。AFCのウィンザー・ジョン(Windsor John)事務局長はAFPの取材に対し、場所は中国か東南アジア諸国を考えており、来週中にも決定したいと明かした。

 試合は当初、今年3月28日に行われる予定だったが、金正男氏の暗殺事件をめぐり両国の関係が悪化。互いに国民の渡航を禁止したり大使館員を帰国させたりしながらも、徐々に緊張は緩和されていた。

 その後、試合は6月8日に組まれたものの再び延期され、国際試合のスケジュールに照らし合わせた結果、今月5日に行われることが決定。しかし、朝鮮半島で緊張が高まっている情勢を受け、マレーシア側が再び試合の延期を迫られる形となった。(c)AFP