【10月21日 CNS】中国・山西省(Shanxi)晋城市(Jincheng)沁水県(Qinshui)公安交通警察大隊、嘉峰鎮(Jiafeng)中隊の連専彦(Lian Zhuanyan)中隊長が9月25日、勤務中に突然腹部の痛みを訴え、そのまま病院に運ばれた。急性胆嚢炎で、すぐに手術が必要だと診断された。

 大隊のリーダーは連さんの病状を聞くと、すぐに休暇と治療の手配をした。しかし一時的に痛みが収まったと感じた連さんは、休暇を辞退し、職場復帰を申し出た。医師と家族の必死の説得に応じ、手術を受けることにやっと承諾。手術が終わって手術室から運び出されるなり、妻に「いつから仕事に戻っていいか医者に訊いてくれ」と頼んだという。

 術後2日目、主治医から「手術は成功しましたが、術後観察とケアが重要です。安静にしないで高熱が出たら、もっと大変なことになりますよ」と何度もクギを刺されていたにもかかわらず、連さんは病室で安静にするどころか、職場復帰を訴えていたという。


 術後3日目、連さんはとうとう退院届けを提出し、職場に戻ってしまった。沁水県では10月1日、旅遊文化節などのイベントが行われており、連さんは痛みを押して部隊の同僚たちと交通整備を行った。

 記者は19日、主治医に「最も医者の言うことを聞かない病人」と呼ばれた連さんを訪ねた。退勤時間はとっくに過ぎているのに、事務所にはまだこうこうと明かりがついていた。次々と交通警官が戻ってくる中、連さんの姿が見当たらないので同僚に聞いてみると、「連さんが管轄している場所はちょっと遠いんです。それに、連さんが管轄する道路は交通量が特に多い場所だから、交通量が正常になるまで戻ってきませんよ」と答えた。

 連さんを事務所で待っている間、同僚たちから「お姉さん」と呼ばれ、ずっと忙しそうにしている女性がいることに気づいた。聞くとその女性は連さんの妻、楊朝霞(Yang Zhaoxia)さんであった。連さんが退院してから20日以上、楊さんは夫につきっきりで面倒をみている。術後の体調が突然悪化しないように、毎朝体温を測る。普通の食事が摂れないため、昼食には食堂に迷惑がかからぬよう楊さんが粥をつくって食べさせている。医師の言うことを聞かずに退院してしまった時のことを責める妻に対し、連さんは笑って「職場が大変なのにのんびりしていられなかったんだよ。次は気をつけるから!」と返した。

 警察官になって23年。そのうち19年間は交通警察に従事している。「敬礼一つで警官と市民の距離は縮まる。あいさつ一つで相手の感じているプレッシャーを和らげることができる」「交通違反者に対しても、常に思いやりをもって接すること。そうすることで交通秩序を保つことにつながるだけでなく、違反者自身に違反行為の危険さを自覚してもらうことができる」と中隊長の連さんは、部下の隊員たちに対して話している。また「警官は、制服を着たその瞬間から犠牲を払うこと、堅く守り続けることを選択しているのだ。仕事の性質上当然のことで、すべての警察官がぶつかる問題だ」とも話しているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News