【10月20日 AFP】ブラジル最大都市サンパウロ(Sao Paulo)の児童たちの間に広がる飢えへの対策として、消費期限間近の使い残した食材から作られた乾燥食品が考案された。同市の市長は記者会見で、この食品が最貧困層の児童の間で広がる飢えを減らし、さらに食品の廃棄も減らすことができると力説したものの、市民の間では「ドッグフード」とやゆされるなど波紋が広がっている。

 この再利用食品はファリナータと呼ばれ、粒状など何種類かの形がある。そのまま食べることもできるほか、スパゲティやケーキといった料理に加えて使うこともできるという。ただ、見た目の異様さ、そしてその材料ゆえ、市民からは非難の声が上がっている。

 そのような声にもかかわらず、ジョアン・ドリア(Joao Doria)市長は一部の学校への配給を認可。ただ、この食品を受け取る子どもの詳しい数は明らかにしなかった。

 地域栄養審議会の広報担当者であるビビアン・ゾラー(Vivian Zollar)氏は、ファリナータを「低所得者層の人々に提供すると、社会の不平等を助長させるだけだ」と指摘。社会での広範な議論が必要だと強調するとともに、市長室が飢えの問題に取り組むに当たり、代替策について十分な調査を行わなかったと非難した。

 ブラジル地理統計院(Brazilian Institute for Geography and Statistics)の2013年の調査によると、食料不足に苦しむ人はサンパウロ州に150万人おり、全国では720万人に上るという。(c)AFP/Paula RAMON