【10月20日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は19日、インドネシアとマレーシアの首脳に対し周辺海域から海賊を排除するよう要請し、海賊問題の解決に向けた取り組みに再び焦点を向ける意向を示した。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓ったイスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」は、東南アジア周辺海域において身代金目的で漁船や貨物船の乗組員の誘拐を繰り返しており、周辺地域が「第2のソマリア」になる恐れがあると懸念されている。

 ドゥテルテ大統領はこの2日前、アブサヤフなどの過激派組織との5か月近くにわたる戦闘の末、南部ミンダナオ(Mindanao)島マラウィ(Marawi)を「テロリストから解放した」と宣言していた。

 ドゥテルテ大統領はマニラ(Manila)で行われた東南アジア諸国の外交団や首脳らが出席したフォーラムでの演説で、「当該海域からやつらを排除し、われわれの航路を維持しその安全を保たなければならない。やつらはそこでうんざりするほどの海賊行為を働き、多くの身代金をせしめた」と述べた。

 ドゥテルテ大統領はまた、マレーシアとインドネシア・スマトラ(Sumatra)島の間に位置する、世界でも最も船の往来が激しいマラッカ海峡(Malacca Strait)を名指しし、「テロリズム」の被害を受けていると述べ、「非常に危険な状況に対し、何か思い切った対策を取らなければならない」と訴えた。(c)AFP