【10月22日 CNS】米国 ボストン(Boston)の地下鉄用車両が16日、中国中車(CRRC)の子会社である長春軌道客車(Changchun Railway)で製造が始まった。完成車両は今年12月には米国に到着する予定だ。中国初の、自国の知的財産権を持つ米国水準の地下鉄車両となる。

 ボストンの地下鉄は、1897年に米国で最初に作られた地下鉄で、すでに100年余りの歴史がある。2014年10月、長春軌道客車がボストン市内を走る地下鉄2線の入札に参加し、284両分を落札した。中国の企業が米国の鉄道交通関連分野で落札したことも、大きな注目を集めた。

 車体はステンレス製。車両時速は63マイル(時速102キロメートル)で、耐用年数は30年としている。長春軌道客車の于青松(Yu Qingsong)副総技師によると、車両の構造強度や安全制御、品質管理システムなどの面では中国で初めて、米国基準を採用した。

 全米障害者評議会基準や米環境保護局(Environmental Protection Agency)の基準、米マサチューセッツ州の公共交通安全運行ガイドライン、米国防総省のMIL規格などをクリアしている。車両は自社開発で、知的財産権を保有する。

 また今回の車両は、時速40キロの状況下で衝突事故などが発生しても、乗客エリアには影響をおよぼさない仕様になっている。

 15年9月、中国中車は米国で初めてとなる製造拠点の中国中車スプリングフィールド(Springfield)工場を建設した。この敷地40エーカー(16ヘクタール)の工場で、車両の総組立、台車組立、試運行やアフターサービスなど、2018年初頭に操業開始の予定だ。計画通りに進めば、以後の後続車両は同工場で本格生産を実現する。

 現地法人米国中車マサチュ-セッツ社のカ波(Li Bo)副社長は、製品の輸出による外貨獲得から現地経営の実現まで、中国中車の国際化への重要なステップで、「メード・イン・チャイナ」はますますよくなることを信じる、と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News