【10月20日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は、がん治療における遺伝子療法で2番目となる治療法を承認した。「Yescarta」と呼ばれるこの治療は、リンパ節を攻撃するがんの一つである非ホジキンリンパ腫(NHL)の特定種に対する、米市場初の免疫療法となる。

 Yescartaは、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法としても知られ、患者の白血球細胞を変化させ、白血球細胞がリンパ腫を攻撃し死滅させることを可能にする。治療費用は37万3000ドル(約4200万円)前後となる見込み。少なくとも他の2種類の治療後に再発した人々にのみ許可される。

 FDAのスコット・ゴットリーブ(Scott Gottlieb)長官は18日の発表で「今日、重病治療のための新しい科学的パラダイム全体の発展において、新たな1ページが開かれた」と述べ、「致死的でほとんど治療不可能とされる形態のがんに対し、遺伝子療法はわずか数十年間で、将来有望なコンセプトという存在から現実的な解決策へと変化を遂げた」と語った。

 FDAは米国初のがん遺伝子療法を8月に承認している。「キムリア(Kymriah)」と呼ばれるこの白血病治療法は、スイス製薬大手ノバルティス(Novartis)が開発、費用は47万5000ドル(約5370万円)程度とされる。(c)AFP