【10月20日 AFP】米国では300万人が毎日拳銃を携帯し、900万人が少なくとも月に1回は拳銃を携帯しているとの調査結果が19日、米公衆衛生ジャーナル(American Journal of Public Health)に発表された。銃携帯状況の全米レベルの調査は20年ぶりという。調査をまとめた研究者らは、米国内の銃犯罪の90%で拳銃が使われていることから、現状の把握がまず重要だと指摘している。

 論文によると、拳銃を携帯する米国人の大半は南部に住む若い男性で、持ち歩く理由として最も多く挙げられたのは自衛だった。

 米国では学校やコンサート会場、職場などで銃の乱射事件が後を絶たない。

 論文の筆頭執筆者であるアリ・ロウハニラハバール(Ali Rowhani-Rahbar)米ワシントン大学公衆衛生大学院(University of Washington School of Public Health)准教授(疫学)は「使用された銃器の種類が特定されている事件をみると、銃器を使った殺人や死者が出なかった銃犯罪の約90%で拳銃が使われているので、拳銃の携帯に関する研究は重要だ」と指摘。

「銃携帯がもたらす結果を全米レベルで調べる上で重要な最初の一歩は、銃を携帯するという行動がどのくらいみられるかを正確に調べ、そうしている人の特徴を把握することだ」と述べている。

 論文によると、調査対象となった拳銃所有者の80%は携帯許可証を取得していた。また3分の2は拳銃を携帯する際は常に他人に見えないようにしていると答えたのに対し、10%は常に隠さないと回答している。

 全米では過去30年間に、拳銃の携帯に関する州法はおおむね緩和されてきた。

 調査データは、銃所有者1444人の拳銃携帯の状況などを評価した2015年の全米調査から抽出した。(c)AFP