【10月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は19日、同国の平昌冬季五輪出場を阻止するために米国が国際オリンピック委員会(IOC)に対して間接的に圧力をかけていると訴えると同時に、それが「屈辱」をもたらすと主張した。

 来年2月に開催される平昌五輪について、現在IOCではロシアの出場可否を検討している。世界反ドーピング機関(WADA)の調査報告書で組織ぐるみの大規模なドーピングが指摘されたことを受け、国際陸上競技連盟(IAAF)は同国陸上選手の2016年リオデジャネイロ五輪への参加を禁止した。

 黒海(Black Sea)沿岸の都市ソチ(Sochi)で開かれている恒例の国際会議に出席しているプーチン大統領は、「IOCとは何の問題もない。同委員会の人間は非常に寛容でビジネスに精通しているが、彼らは広告主やテレビなどに依存している」と述べた。

「これらのスポンサーに対して順次、米国当局から明白なシグナルが送られている。これは単なる推測ではなく、われわれが把握していることだ」

 WADAの報告書では、ロシアが2014年ソチ冬季五輪の薬物検査で検体をすり替える不正操作を行っていたと指摘されているが、同国は国家ぐるみのドーピングシステムについて一切否定している。

 プーチン大統領はロシアが平昌五輪に出場できるのか問われると、「選択肢は二つ。ロシアが中立の立場で参加することを余儀なくされるか、五輪への出場を全面的に禁止されるかだ」とコメント。「どちらにしても、わが国にとっては屈辱的だ」として、五輪ムーブメントに深刻なダメージを与える可能性があると述べた。

 ロシアの平昌五輪参加問題については、今年9月に17か国の反ドーピング機関が禁止を求めている。(c)AFP