【10月20日 CNS】物価の上昇によって、1元(約17円)でできることは少なくなった、1元じゃお腹も満たせないし、本も買えない、映画も見られないと嘆く人が多い。しかしよく考えてみると、インターネットの普及によって新たな経済体系が生まれ、むしろできることの方が多くなったのではないか。

■シェア自転車、ひと月使い放題:1元

 2016年からサービスを開始したシェア自転車。専用アプリをダウンロードして保証金を支払えば、QRコードをスキャンしていつでも1元で自転車に乗ることができる。

 多くのシェア自転車は1時間1元という料金体系だが、ofoが「ひと月1元乗り放題」のサービスを打ち出した。

■「1元Q&A」で知識に価値を

 現在、インターネット上にある多くの質問サイトでは、質問者、回答者、閲覧者がそれぞれ無料で自由に意見交換ができるようになっている。しかし、中にはお金を払う価値のある知識も徐々に人々に認知されてきており、「1元で回答を見る」というサイトも増えてきた。

■オンライン授業:1元

 教師やトレーナーが、インターネットで授業を行っている場合も多い。時間や空間の制限もなく、地域、年齢、職業も関係ない。その授業に興味がある人はみな参加できるのだ。

 塾や習いごとに申し込まなくても、いつでもどこでも、自分の興味がある分野の知識を学ぶことができる。時間とコストの節約にもなる。

■公益活動の絵画販売、1元の力

 テンセント公益慈善基金会(Tencent Foundation)によって、「芸術は生命を輝かせる」とするテーマの募金活動がインターネット上で行われた。自閉症の子どもたちが描いた作品を、1元でダウンロードできるというものだ。

 この活動は、社会の偏見をなくし、自閉症やダウン症候群、脳性まひの人たちの生活の改善と、自己価値を見出してもらおうという目的で行われた。全部で36作品用意され、581人がページを訪れ、たった半日ほどで1500万元(約2億5523万円)も集まったという。

■20冊の電子書籍、1元

 中国の電子書籍アプリ、「QQ閲読」(QQ Reader)を例にとってみると、2017年4月の「世界図書・著作権の日」前後に、1元で話題の小説が20部読み放題という「1元パック」キャンペーンを打ち出して話題になった。

■外出先でも便利、1元の充電器

 現在、街中のショッピングモールやスーパー、カラオケ、飲食店などで1時間1元の充電器を見かけることが多くなった。QRコードをスキャンして1元払うと充電できる。

 小さな1元だが、インターネットやシェア経済の発展により、本も読めるし、自転車にも乗れる。携帯電話の充電もできるし、受けたかった授業も受けられるようになった。コストパフォーマンスの良いモノやサービスが、1元に再び価値をもたらしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News