【10月19日 AFP】シリアのラッカ(Raqa)奪還を祝う姿を捉えた写真が話題となったロジダ・フェラト(Rojda Felat)氏は、単なるイメージキャラクターではない。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する決定的な勝利を手にした数千人規模の部隊を指揮した女性司令官だ。

 ISが人々を「公開処刑」していた場所として知られていた環状交差点に、4か月に及ぶ戦闘でラッカを奪還したクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」の黄色い旗を立てるフェラト司令官の写真は17日、世界中を駆け巡った。

 フェラト司令官が所属するクルド民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」はSDFを構成する主力部隊だ。マルクス主義に触発され、男女平等の推進を掲げるYPGには、多数の女性司令官が存在する。

 フェラト司令官は、YPGの女性部隊である「クルド女性防衛部隊(YPJ)」の上位司令官として昇進を続け、ISに対する過去最大級の作戦を指揮する存在になった。

 YPJ創設者の一員で、フェラト氏とラッカなどで共闘したYPJ報道官のネスリン・アブドラ(Nesrin Abdullah)氏によると、フェラト氏は「YPJ主要司令官の一人」だ。

 アブドラ氏はAFPの電話取材に「彼女の人格は、女性の自由のために戦うという決意で形作られている」と説明。「この作戦中、彼女は大きな影響を与えた。彼女はダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)の首都に勝利の旗を掲げた」と語った。

 フェラト氏は、ラッカ奪還作戦の第1段階の総指揮を執り、その後の段階の指揮はもう1人のYPJ女性隊員を含む司令官らと共同で行った。SDF幹部らによると、年齢は37歳だ。

 3年以上にわたりシリアとイラクの広範囲を支配したISは「女性に対し最悪の残虐行為を犯し、女性をあらゆる欲望を満たすための奴隷と機械にした」とアブドラ氏は語る。

 シリア北東部のクルド人地域カーミシュリー(Qamishli)出身のフェラト氏は、過去の数々のインタビューで、女性を戦争で活躍させる重要性について語ってきた。

 フェラト氏は17日、肩から武器を下げ、満面の笑みを浮かべて巨大なSDFの旗をアルナジム(Al-Naim)の環状交差点になびかせた。YPGが投稿した動画でフェラト氏は「これは歴史的瞬間。これできっと多くのことが変わる」と語っている。(c)AFP/Tony Gamal-Gabriel