【10月17日 AFP】アフガニスタンに暮らす少女のうち、およそ3分の2が悪化する治安状況や貧困により学校に通えていないとする報告書を、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が17日に発表した。HRWは家父長制が根強い同国における女子教育への取り組みの重要性を訴えている。

 1996~2001年の旧支配勢力タリバン(Taliban)政権時代に比べると、教育を受けている少女の数は数百万人増加したものの、複数の地域で女子生徒の割合は減っており、HRWは状況の進展が、ここ数年停滞していると訴えている。

 HRWが国内4州で実施した調査と政府の資料をまとめた報告書によると、通学していない児童350万人のおよそ85%が少女で、女子全体の3分の2が通学していないと推定されるという。また同国政府は、通学しない期間が3年を超えるまで、子どもたちを非就学児童として記録しないため、実態はさらに深刻化している可能性もあるいう。

 アフガニスタンでは過去16年間で女子教育に数億ドルが支出されたものの、HRWは女子生徒の数について「誇張された数字によって事態が前向きに進んでいるという印象を受けるが、実際は国内のいくつかの地域で女子生徒の数は減っている」と指摘し、最も楽観的な統計でも「半数を少し超えた数の少女が通学している」ことを示しているだけだったとしている。(c)AFP