【10月17日 AFP】ロシア極東で、餌不足のために空腹で凶暴化した野生のクマが多数出没しており、これまでにクマに襲われて2人が死亡した。林業関係者が16日、AFPに語った。

 サハリン(Sakhalin)島当局が先週に発表したところによると、凶暴化した野生のクマ計83頭が射殺された。昨年比でほぼ3倍だ。

 匿名を条件にした地元の林業関係者は「こうした事態は前例がない」と述べている。クマの餌となる魚や果実、木の実が不足しているほか、サケの乱獲も一因とみられるという。

 食べ物を求めて村落に出没したクマがイヌを食べたり、最近では男性の手にかみついたりする例もあった。

 この林業関係者は「いつもなら、この時期のクマは脂肪で丸々と太っているのだが、村に現れるクマにはほとんど脂肪がない」と語った。

 地元森林当局がメディアに語ったところによると、9月にはクマに襲われて猟師と漁師が死亡した。こうした状況はクマが凍死するか冬眠に入る11月までは続くとみられる。(c)AFP