【10月17日 AFP】サッカーナイジェリア代表のゲルノト・ロール(Gernot Rohr)監督が選手に対し、再び手当やボーナスをめぐる問題が起きるようなことがあれば、来年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)でのパフォーマンスに影響が出る可能性があると警告している。

 スーパーイーグルス(Super Eagles、ナイジェリア代表チームの愛称)は 2014年ブラジル大会(2014 World Cup)で本戦出場を果たしたものの、報奨金が支払われていないとして、練習をボイコットする抗議行動に出た。これを受け、当時のスポーツ相は専用機をチャーターしてブラジルに向かい、現金400万ドル(約4億5000万円)を用意することを余儀なくされている。

 試合前の準備が万全であればチーム史上初となるベスト16突破の可能性に自信をみせるロール監督は、「大会期間中にアフリカの国でよくみられるボーナスや手当の問題は、回避しなければならない」と話し、「このような問題は、われわれの準備に悪影響を及ぼすことになる。政府やナイジェリアサッカー連盟(NFF)の会長には、大会前に(こうした問題は)すべて解決することを要求した」と明かした。

 2014年大会で手当の未払い問題に直面したのはナイジェリアだけでなく、ガーナでも選手からの抗議を受けて300万ドル(約3億3600万円)以上をブラジルに運ぶ事態となった。こうした問題の発覚は、インフレスパイラルや通貨価値の低下に悩まされている当事国の政府にとっては大きな恥となった。

 ナイジェリアでは昨年12月にも、アフリカ女子選手権(African Women Cup of Nations)を制したスーパーファルコンズ(Super Falcons、ナイジェリア女子代表チームの愛称)が、ボーナスの支払いを要求して国会議事堂へのデモ行進を敢行。さらには、首都アブジャ(Abuja)のホテルで2週間にわたる座り込みが行われ、政府が100万ドル(約1億1200万円)以上を支払うことに合意している。

 ロシア大会の出場を決めた男子のナイジェリア代表チームには、国際サッカー連盟(FIFA)から1250万ドル(約14億円)のボーナスが支払われることになっており、予選に出場した全37選手に分配金を受け取る資格がある。

 1994年と2014年に決勝トーナメント出場を果たしているナイジェリアは、今回のW杯で同等かそれ以上の結果を残せば、本大会出場メンバーはさらなる金額を手にすることになる。(c)AFP