【10月16日 AFP】鹿児島県で保存され、永遠に燃え続けると信じられていた1964年東京五輪の聖火の火が、実際は4年前に消えていたことが16日、関係者の話で明らかになった。

 東京五輪のトーチから分けられ、「五輪の聖火」としてもてはやされていた火は、2020年夏季五輪の開催地が東京に決定した際にメディアで広く取り上げられた。

 しかし、火を保存していた鹿児島市にあるスポーツ施設の所長(当時)はAFPに対し、火は開催地が東京に決まった2か月後の2013年11月に消えていたことが発覚し、その後急いでつけ直されたと明かした。

 匿名条件で取材に応じた同所長は「当時は(人々の)夢を壊し得ることを口に出せなかった」とした上で、「11月21日に火が消えるのをこの目で見た」「それから再び火をつけ、2週間くらい燃え続けたが、正しいことではないと思っていた」と語った。

 また、当時は日本が2020年に開催される夏季五輪の開催地に決定したことで、保存していた火もメディアから大きな注目を集めていたという同所長は、「さまざまな人から『聖火』を町の祭りや結婚式で使えないかといった要望が寄せられていたため、真実を話す決断をした」と付け加えた。

 同施設によると、現在は虫眼鏡と太陽光で点火された別の火が展示されており、聖火ではないことを説明するパネルが設置されているという。(c)AFP