【10月16日 AFPBB News】日本の天然記念物「秋田犬」の愛好家が集まり、犬の毛並みなどの美しさを競う「第8回東京中央支部展」が15日、東京都練馬区で開かれた。降りしきる雨にもかかわらず、約30匹の秋田犬が集まり、凛(りん)とした立ち姿を披露した。

 秋田犬の保護育成を目的に、公益社団法人「秋田犬保存会(Akita Dog Preservation Society)」が春と秋の年2回、全国各地で展覧会を開催。雄雌ごとに「幼犬」「若犬」「壮犬」「成犬」の年齢別8部門に分かれ、体高や毛並み、歯並び、顔つきなど70項目以上を審査する。飼い主は日頃の努力の成果を見せようと、雨にぬれた愛犬をなだめたり、毛を整えたりしていた。

 幼犬・雌の部門で優勝した「桃」の飼い主は、18歳から秋田犬を飼い続けている茨城県在住の運転手・戸来稔(Minoru Herai)さん(63)。毎日欠かさず約5キロを散歩をさせるなど、愛情をかけて育ててきたとだけあって、喜びもひとしお。「自分がご飯を食べる前に、犬に食べさせ、運動させる。人間より犬がかわいい。母ちゃんより犬が大事なの」

 支部長の齋藤弘直(Hironao Saito)さんは、「皆、国犬を愛している。名犬を後世に残していきたい」と話す。秋田犬保存会への登録数は年々増加傾向にあり、昨年は6550匹の秋田犬が新規に登録された。秋田犬は海外でも人気が高く、2012年には日本から愛犬家として知られるロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に、雌の秋田犬「ゆめ(Yume)」が贈呈されている。

 全国から秋田犬が集まる本部展は、12月3日に熊本で開かれる。(c)AFPBB News