【10月16日 AFP】フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相は16日、南部ミンダナオ(Mindanao)島での戦闘で、米政府の最重要指名手配犯の一人であるフィリピンのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力の指導者、イスニロン・ハピロン(Isnilon Hapilon)容疑者(51)が死亡したと発表した。

 専門家らは、イスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」率いるハピロン容疑者をISの東南アジアにおける指導者とみている。ISはイラクやシリアで苦境に立たされており、東南アジアでイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の後継者「カリフ」が統治するカリフ制国家の樹立を目指している。

 ロレンザーナ国防相は記者会見で、「(軍が)イスニロン・ハピロンとオマル・マウテ(Omar Maute)を討ち取った。2人とも殺害された」と述べ、ハピロン容疑者と共に5月に発生したミンダナオ島マラウィ(Marawi)での襲撃を主導したマウテ容疑者も死亡したことを明らかにした。

 米政府はアブサヤフを「海外のテロ組織」に指定しており、同組織の最高幹部とみているハピロン容疑者の逮捕につながる情報に500万ドル(約5億6000万円)の懸賞金をかけていた。

 ロレンザーナ氏によると地上部隊が16日朝に行われた掃討作戦で2人は殺害された。今後、2人の遺体のDNA鑑定が行われるという。

 またロレンザーナ氏は、「この進展が示すものはマラウィでの戦闘が終わりつつあるということだ」と述べ、数日以内に戦闘の終結を宣言できるかもしれないとの考えを示した。(c)AFP